舌下免疫療法
スギ花粉症やダニアレルギー性鼻炎の治療法のひとつに、アレルゲン免疫療法があります。これは様々な治療法がある中で、唯一の根本治療となります。アレルゲン免疫療法は、100年以上も前から行われていますが、アレルゲンを含む治療薬を皮下注射する方法が行われていました。
2014年からは治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用が可能になりました。
「舌下免疫療法」は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と確定診断された患者さんが治療を受けることできます。
特に年齢制限はありませんが、副作用の訴えが伝えられる4〜5歳以上を対象としております。保険診療内の治療であり、小児では公費負担、3割負担の場合は診察費、薬剤費で月3,000円程度の負担となります。
投与スケジュール
以下に治療のポイントを示します。
- 1日1回治療薬を舌の下に1分間おきます(初回のみ院内で30分の待機が必要です)。
- その後5分間は、うがい・飲食を控えます。
- 治療前、治療後2時間は入浴・運動・飲酒はできません。
- 3年は治療の継続が推奨されており、80〜90%の有効率が示されています。最近の報告では、さらに4年の投与での有効率の上昇が示されており、今後も治療成績などのデータはアップデートされていくものと思われます。
- スギ花粉の治療薬は、花粉飛散期(1〜4月)からの開始はできません。
- スギ・ダニ同時投与の場合は、どちらか一方の治療薬が安定して使える状態になってから、併用を開始しています。
- 通院の回数は、患者さんの状態をみて決めますが、少なくとも月1回の通院が必要となります。