アレルギー性鼻炎
国民の4人に1人がスギ花粉症といわれ近年増加傾向にあります。季節性の抗原では春のスギ、ヒノキ、夏のカモガヤ、ハルガヤなどのイネ科の雑草、秋のブタクサ、ヨモギなどのキク科の雑草が代表的です。通年性(一年中の抗原)ではハウスダスト、ダニや犬・猫などの動物系が代表的ですが、意外と知られていないものにゴキブリ(日本人の約10-20%に陽性)やガ(網戸に鱗粉をつけ室内へ拡散させる)なども原因となります。近年PM2.5や黄砂などの大気汚染は増悪因子と言われており、これらの飛散期にはアレルギー患者さんは更なる注意が必要となります。また喘息患者さんの約70%に鼻炎が合併していると言われており、鼻からのど、気管・気管支から肺はひとつのつながった気道であり、喘息のコントロールのためにも鼻炎の治療は重要となります。
血液検査では何の抗原に反応しているかを調べることができます。また当院では指先から少量の血液を採取するだけで、約20分後には判定結果がわかる抗原検査も行っております。採血が苦手なお子様はもちろんのこと、大人の方にも気軽に受けて頂けると思います。今までは、抗ヒスタミン薬やロイコトリエン拮抗薬による内服治療、点鼻吸入ステロイド薬による対症療法やレーザーによる鼻粘膜焼灼術が治療の中心でしたが、2015年からは「口腔内にスギ花粉やダニの抗原液を滴下して治す」という根本的な治療が日本でも保険適応となりました。従来の皮下注射による免疫療法に比べ、痛みが少なく通院回数が少なくてすむメリットがあります。約80%もの患者さんに効果があったと報告されており、12歳以上のスギ花粉やダニが陽性の患者さんが対象となります。お気軽に御相談下さい。