重症スギ花粉症治療(ゾレア®)
2019年12月から、重症・最重症のスギ花粉症に対してゾレアが保険適応となりました。スギ花粉症による鼻水、くしゃみ、鼻づまりが内服薬でおさまらず、勉学・仕事に集中できない、家事や日常生活に支障がある、熟睡できない、内服薬では眠気が強く継続できない、などの患者様は検討する価値のある治療です。
(ゾレア®とは)
近年様々な疾患で抗体治療は行われています。病気は、体の中で様々な物質が化学反応をおこして発生しますが、スギ花粉症はIgE抗体が大きくかかわっています。そこでゾレア®はスギ花粉のIgEと結合し、IgEがマスト細胞と結合できなくすることでアレルギー反応をその元からおさえます。この治療は喘息では10年以上使用されており、喘息、特発性の慢性蕁麻疹、スギ花粉症とも標準治療の1つとして診療ガイドラインに記載されています。
(治療までの流れ)
概ね2月から4月の間に、月1~2回皮下注射を行います。投与量、投与間隔は血液検査、体重で決まります。以下にゾレア®が適応となる患者様の基準を示します。
- 年齢:12歳以上
- スギ花粉特異的IgE抗体がclass 3以上
- 血清中総IgE濃度が 30~1500 IU/ml
- 重症度分類が、重症・最重症である
- 既存の内服薬・点鼻薬を用いても効果がない
(治療費)
保険診療内の治療です。費用はゾレア®の薬剤費のみで1か月あたり、3割負担で約5000円から7万円と検査結果によって異なります。小児は12歳以上が適応で自治体によっては医療費助成の対象となります。